キャンプの危険を回避する!子どもと知っておきたい動植物

「家族でキャンプに行きたいけど、安全なのかな?どんな危険があるのか知っておきたいなぁ」と、お悩みではありませんか?

こんにちは”キャンプ育”トレーナーのRockです。子どもと行くキャンプは楽しいですよね!家族が喜んでいる姿をみるとこちらも思わずニヤリ。でも安心安全に楽しむには、あらかじめ起こりうる危険を知っておくのが大切です。

自然活動におけるヒヤリハットの事例は82%がヒューマンエラーによる物だそうです。特に環境で、そして動植物での事例が多く、「事前に危険を発見・把握する」(リスクマネジメント)というのが大事だと言われています。

あらかじめ危険な動植物を知っていればむやみに草むらなどに近づかないですもんね。川で遊ぶ時も、遊泳禁止だと知っていれば泳ぐことはありません。山での登山禁止箇所があるならば回避するのが上策です。

そこで今回は、キャンプ時に危険な動植物を一部ご紹介致します。危険なだけあって、知っていても実際に目にした事は無いものも多いと思います。子どもと共有しながら、安心安全なキャンプライフのお役に立ればと思います。

※下記に各動植物の画像も張ってあります。苦手な方はご注意下さい。

私達が「自然にお邪魔する」という感覚を持つ

「来た時よりも美しく」と言う言葉があります。語源はボーイスカウトでしょうか、かなり昔から定着している言葉です。言葉どうり、ゴミなどはしっかりと持ち帰り、自然を荒らさずに来た時よりもっと綺麗にして帰るという事です。

何も自然に対してだけではないのですが、元々の動植物の住処に「お邪魔している」という感覚が必要だと思います。いきなり知らない人が自分の家に入ってきたら皆さんも怒りますよね?笑

特に子ども時代からそういった感覚を養う事が大切です。自然を大切にする事が出来て、危険な動植物への理解も深まります。あくまで動植物はそこに住み、生きていて、人間が配慮をしなければいけないという事を頭に入れて置きたいですよね。

危険な動植物の認知、識別が大事

そもそも危険動植物とは何か?それを知っておかなくてはいけませんね。知っていても実際に識別出来るのか?という問題もあります。

関西学院大学の2017年の研究では、若年層(20代)よりも高年層(30代以上)の方が危険動植物の認知率、識別率共に高かったとあります。この事から昨今の子ども達の自然体験量が減っている為ではないか、とも言われています。

私の家はかなりのド田舎だったので、割と危険な動植物に遭遇する機会がありました。しかし都会に住んでいたりすると、触れ合う機会が無いのは当然かとも思います。

「子どもにわざわざ危険を冒させたくない」、というのも時代的には分かります。でも、いざキャンプなどに行った時に何も知らない状態だと大きな事故に繋がってしまう可能性もあります。

予め子どもと一緒に図鑑などを見ながら予習をしたり、実際の生息地に気を付けながら行動をする事で、少しでもヒューマンエラーを減らせるのでは無いでしょうか。

主な危険動植物

同研究であげられている24種の危険動植物を簡単にご紹介致します。概ね認知率(知っている)の高かった順になっており、知っている人は危険と判断出来る傾向がおおかった様です。それでも実際に識別できるのか、となると割合低くなるそうです。

実際に遭遇する事は、まぁ避けたいですから、知っておく事が先ず大事だと言えますよね!

ムカデ

ムカデは大抵人がご存じですよね。温かく湿気のある所を好み肉食性、咬まれると非常に痛いのです。寝床なんかに侵入されない様にしっかりと隙間をブロックしておく必要があります。

アシナガバチ

私も子どもの頃刺された事があります。勿論とても痛い・・。ミツバチなどと違い何度も指す事が出来ます。一番活発になつのは夏頃です。思わぬところに巣があったりしますので、見つけたら絶対に近づかない様にしましょう。

スズメバチ

日本で最大のハチ種です。

医学博士の小川原辰雄によると2019年の野生動物が原因となる日本人の死因の首位はスズメバチによるものとなっている

wikipedia

獰猛で他のハチや大型動物を襲う事もあります。ただ巣に近づいたり、攻撃などしなければ比較的襲ってくるという事はありません。

樹液がでているとこいつが高確率でいるので気を付けましょう。人工的な匂いに寄って来るとされているので近くに見かけたら気を付ける必要があります。

ツキノワグマ

ほぼ本州以南に生息している熊で、体長は120 – 180センチメートルとそこまで大きい訳ではありません。大人しい熊なので自ら襲うという事は稀なようですが、生息域では音などで人間の存在を知らせてあげるのが良いかもしれません。

ヒグマ

北海道全域に生息している熊です。本州にはいないので該当する事は少ないのかもしれませんが、過去には沢山の事件もあります。やむ負えない場合に熊スプレーなどで撃退する手段もありますが、くれぐれも出くわしたくないものですね。

マムシ

日本にのみ生息する主な毒蛇です。頭が三角、太短いのが特徴でしょうか。咬まれると腎機能障害、急性肺障害による呼吸不全、持続性の出血が起こったりします。

ヤマカガシ

日本固有種、水辺を好む性格で川を泳いでいる事もあります。比較的大人しいのですが、攻撃性もあります。

ハブ

沖縄のイメージが強いですが、南西諸島にバラバラと生息している様ですね。

ハブ類は南西諸島において、飛び石状の特異な分布をしていることが知られている。

wikipedia

非常に攻撃的で、咬まれれば血清が必要になります。

ウルシ

全国に分布していて樹液が「漆塗り」の材料となるうるしです。「ウルシオール」というものが含まれた乳白色の樹液に触れてしまうと、酷くかぶれる症状がでます。

  • ヤマウルシ
  • ツタウルシ
  • ヌルデ

と種類があり、触れずとも近づいただけで症状がでるもの場合もあり注意が必要です。

アブ

水辺に生息して夏ごろに多く発生します。人間に吸血するので注意が必要です。泳いでいる時とか気付かずに咬まれてしまうと・・・痛いです。

ブヨ

ハエ程の大きさで、夏の間に水の綺麗な所で発生します。あとから腫れてくる様な事があった場合は、ブヨのしわざかもしれません。

ヒトスジシマカ

生息地は藪・墓地公園・人家など。植木鉢の受け皿に溜まった水のような小さな水溜りでも発生するので人家の近くでも見かける。逆に山間部など人や水気の少ない地域や地理条件では個体数が少なかったりまれに遭遇しても活発ではない。日本での出現期は5月から11月ごろ。昼行性であるが、早朝と夕方に特に活発に活動する。

wikipedia

一般的にやぶ蚊と呼ばれる蚊ですが、感染症を媒介する事で有名。日本では感染症は稀ですが、赤くふくれかゆくなる事で、衛生害虫に認定されています。

マダニ

日本全国どこにでもいるのですが、主に草むらや山林にいます。「いつの間にか吸血されていた」というケースが多く、犬などのペットへの吸血等にも注意が必要です。

から秋にかけてマダニの活動が盛んになる時期です。レジャーや農作業などで野山や草むら、畑などに入るとマダニに咬まれることがあり、マダニが病原体を保有していると、咬まれた人が「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」、「日本紅斑熱」などの感染症にかかる危険性があります。これらの疾患にかからないようにするために、野外でのダニ対策が重要です。

焼津市HP

咬まれたら絶対感染症になる訳ではありません。

ツツガムシ

マダニと似た見た目をしています。幼虫の間の、秋~冬、春~初夏、に被害がみられます。病原体を保有しているツツガムシに刺された時のみ「ツツガムシ病」という病気に掛かる事がります。

チャドクガ

春~秋頃に発生する毛虫です。ツバキ、サザンカ、チャなどツバキ科の植物に発生します。

毒針毛に触れた直後から、かゆみをともなって赤く腫れ、1日~2日後にかゆみの強い赤い発疹ができます。かゆみは2~3週間続きます。症状のあらわれ方や程度には個人差があります。
かゆみのある部分を掻くと、チャドクガに直接触れなかった部分にも被害が拡大しますので、注意しましょう。

茅ヶ崎市HP

イラガ幼虫

7~11月頃に出現し、刺されると一瞬電気が走ったような痛みから「電気虫」と呼ばれる事もあります。幅広い樹木に生息し、街中の街路樹にいる事もあるようです。

ハゼノキ

葉や枝を傷つけた時にでる樹液でかぶれてしまう事があります。

日本では本州関東地方南部以西、四国九州沖縄小笠原諸島のほか、朝鮮半島南西沖の済州島台湾中国、東南アジアに分布する[7]。暖地の海に近い地方に多く分布し[8]、山野に生え、植栽もされている[9]。日本の山野に自生しているものは、かつて果実からを採るために栽培していたものが、それが野生化したものが多いともいわれる[5][9]。明るい場所を好む性質があり、街中の道端に生えてくることもある[8]

wikipedia

ヤマハゼ

関東地方以西に分布し、ハゼノキに比べて葉の両面に毛があります。山間部に生えています。ウルシ科目共通の「ウルシオール」を樹液に含み、肌にふれるとかぶれの症状がでます。

終わりに

いかがでしたでしょうか。キャンプ時に事故を防ぎ安全に過ごす為に、事前に危険動植物を知っておくと事が大事です。

  • 川に入る時はアブに気を付ける
  • 草むらに入る時は毛虫、吸血ダニ、ウルシ類に気を付ける
  • アシナガバチやスズメバチを見かけても絶対に刺激しない

など、初歩的とも言える事ですが、実際答え合わせをする事で深い理解にも繋がります。

そして「来た時より美しく」を大切に。私も含め、子どもには自然を大切にして共存する様な教え方が出来たらいいですよね。

参考:危険な動植物の識別に関する研究 甲斐 知彦・畠中 彬