子どもの自立心が成長する!第三の居場所の大切さ

こんにちは、”キャンプ育”トレーナーのRockです。

皆様には「第三の居場所」というのがありますでしょうか?第三の居場所とは、家庭、学校、職場以外の居心地の良い場所を指します。複数人でも一人の場合も該当し、ストレスを発散出来る環境である事が重要です。

例えば、スターバックスコーヒーの企業理念は、サードプレイス「第三の場所を売る事」です。自宅や職場のストレス持ち込まず、自分の思いのままリラックスして過ごして欲しい、という願いが込められています。

今回は特に成長期の子どもに置いて、「第三の居場所」がアイデンティティの形成と自立をしていく為に有効であるというお話です。尚、「居場所」とは物理的な場所と言うだけでは無く、精神的な居場所の事も指しています。

文部科学省では「居場所」を「児童・生徒が存在感を実感することができ、精神的に安心していることのできる場所」と定義しているつまり、「居場所」は、物理的な「居場所」であるばかりでなく、心理的な意味を付加した「心の居場所」としての機能を果たすものであることが分かる。

学校における子どもの居場所づくりの課題と方法の検討 ―不登校児を中心にー 窪田清美

第三の居場所があると子どもの心は安定する

「ありのままの自分を受け入れてくれる環境」「自分と似た境遇の仲間と理解し合う体験」などが第三の居場所となる上でのポイントです。親たちは気付かずとも、学校の悩みを家族にも話せず抱えているかもしれません。少し他人とは違う事で深く悩んでしまう事もあるかもしれません。

そんな時に、安心して過ごせる場所があると、子どもの心の拠り所となる事が出来ます。例えば、ちょっと離れた所にある「おばあちゃんち」とか、イメージ湧き易いですかね。親の目が無く、自由で開放感に溢れ、可愛がってくれる「おばあちゃんち」は最高ですよね!家とは違った雰囲気があります。

そういった子ども特有の悩みや不安を抱えたまま将来を迎えると、引きこもりなど社会で生きていくのが大変となってしまう場合もあるでしょう。まずは家庭で子どもの安心出来る環境を作り、少しづつ第三の居場所となる様な環境を見つけて挙げられるといいですよね。

家族との居場所が一番だけど、それだけだと足りない場合もある

勿論皆様は大変立派な親御さんだと思います。きっと家庭環境も素晴らしい物と考えます。ただ、2006年の研究では「家族のいる居場所」が総合的に子どもにとても良いという結果が出つつも、「自分一人の環境」「家族以外の人といる環境」の有意性も伝えられています。

杉本・庄司(2006)の研究では,小・中・高校生の居場所の心理的機能には,「被受容感」「精神的安定」「行動の自由」「思考・内省」「自己肯定感」「他者からの自由」の6つの因子があることが明らかにされている。また,「自分ひとりの居場所」「家族のいる居場所」「家族以外の人のいる居場所」の3つの居場所分類による,それぞれの居場所の持つ心理的機能の固有性を明らかにした分析結果からは,ひとつで全てを満たしてくれていた安定した「家族のいる居場所」を,その多くが自分の居場所として選択する小学生に比べて,中学生以降の子どもたちは,1つの居場所ですべての機能を充足することは困難であり,発達に応じて,固有の機能を持った様々な居場所を複数持つことが必要であるという示唆を得ている。

キャンプに参加する青少年の「居場所」概念とアイデンティティとの関連に関する考察 荻野 杏菜 太字部分は筆者が加筆

いくら子どもを尊重して~っと思っていても、時には喧嘩してしまったりもしますよね。また内に秘めている何らかの疎外感(友達がいない・いじめ・コンプレックス等)は家族の中にいるだけでは解消しない場合だってありますね。

そんな時にリラックスして過ごせる第三の場所を作っておくと、

  • 一人になってゆっくりする
  • 同じ経験をしている仲間と交流する

など過ごし方の選択肢が増え、そんな経験をする中で価値観が変化して心が安定していく場合もあります。

子どもに負担になるようなコミュニティは逆効果になってしまいますので、ご家庭の生活に余裕が出てきたら、「子どもが自由におもいっきり活動できる」「子ども全てをを受けてめてくれる」「リラックスして考える事の出来る」「同じ境遇の仲間がいる」、少しづつそんな環境を作って行くのもいいのではないでしょうか。

どんな居場所をつくればいい?

第三の居場所は前述の通り、単なる「場所」では無く「心の拠り所」としての意味が含まれます。子どもが安心してリラックス出来る場所がいいでしょう。

2013年に早稲田大学が行った研究によると、サマーキャンプに参加している14~20歳の在米日本人16名を対象に,A「あなたにとって居場所とはどんな所だと思いますか。」,B「キャンプ,現地校,補習校,家族,あなたにとって居場所と思えるところはどこですか。」という問いに対し、Aは「ありのままの自分を受け入れてくれる場所」、Bではほぼ全員が「キャンプ」を含む回答をしたそうです。

前提と毛色は大分違うのですが、自然活動を伴う組織キャンプ(教育キャンプ)という点では参考になるのではないでしょうか。

つまりキャンプを上手く活用する事で、子どもにとっての「第三の居場所」と成りえるという事が言えます。前述の特殊な条件では無くても、

  • 少し境遇の似た仲間がいるキャンプに参加してみる
  • 中学生以上なら思い切ってソロキャンプに挑戦してみる(1人の居場所)
  • 家庭とは離れて、親と二人で過してみる(普段見せない表情が見れるかも)

家族で行くのも勿論良いですが、第三の居場所を作るには他人との関わりも重要になってきます。何でも話せる、何でも受け入れてくれる様な関係作りを意識しながら、キャンプを行ってみるのがおススメです。

おわりに

いかがでしたでしょうか。第三の居場所があると、子どもの自立心が育ち易くなります。日常で不安な事があっても自分から居心地の良い環境に赴く事で、心の安定を保つ事が出来るからです。

  • キャンプ
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  • 学童

色々な場所が子どもの成長を見守っていくの助けになると思います。子ども第三の居場所という日本財団の施設も普及し始めている様ですね。

家がリラックス出来る居心地の良い場所である、というのは大前提ですが、子どもの駆け込み寺の様でありサンクチュアリにも成り得る第三の居場所を作ってあげてはいかがでしょうか。

参考:キャンプに参加する青少年の「居場所」概念とアイデンティティとの関連に関する考察―在米日本人を対象としたキャンプでの調査結果から 荻野 杏菜